不安が継続することで起こる障害 


  全般性不安障害は特殊な状況に限定されない、理由の定まらない不安が長期間続き、このような不安にこころやからだの症状が伴う病気である。
  あまり聞き慣れない病名だが、米国では生涯有病率が5.1%、つまり約20人に1人が一生のうちに一度以上この病気にかかっているという。
  日本で実態調査をするのはなかなか難しいが、最近、おそらく人数的にはかなり多いのではないだろうか。体のあちこちがおかしいというので、内科にかかる人が多いのである。

  有名な精神医学者のシュナイダー氏が、「人間がしばしば不安を持つことよりも、むしろ人間が大部分不安を持たずに過ごすことのほうが説明を要する」といっているように、多かれ少なかれ不安はだれもが感じるものである。
  それでも私たちは、たぶん無意識のうちに、いろんな方法で不安をコントロールしながら生活している。ところが、絶えず強い不安感に苦しめられて心や体の調子が悪くなり、夜も眠れなくなり日常生活にまで支障をきたしてしまう、こんな症状が続くのが、全般性不安障害という病気なのである。

  もともとは不安神経症といわれていたこの病気は、1980年に米国精神医学会の診断基準で、パニック障害全般性不安障害に分けられた。
  パニック障害の場合は突然の発作で起きるのだが、全般性不安障害はいつ病気が始まったのかはっきりしていないという特徴がある。何かの心配事やストレスが関係している場合が多いようだが、それが原因というわけではなく、ひとつのきっかけにすぎない。家族や仕事のこと、人づきあい、健康のことなど、生活していくうえでのあらゆる出来事が不安の対象になり、いつまでも深刻に悩み、自分自身ではコントロールできないほど。また、現在や過去のことだけでなく、むしろ将来の予期不安のほうが強くあらわれることが多いという。

  自分や家族が病気になったり、事故にあったらどうしようかとか、いつまでもクヨクヨ思い悩む。その最たるものが、がん恐怖症。体のどこかがちょっと痛かったりすると、ひょっとしたらガンじゃないだろうかと思い悩む。 以前は神経質ということでひとくくりにされ、“性格的なクヨクヨ人間”として片付けられてしまった時代もあったという。
  男性に比べて女性のほうが1.5倍から2倍くらい多く、大半は若い女性とのこと。10代で発症することもある。女性が多いのは、特有の生理的、心理的な要因、あるいは社会的に期待される性的役割からくるストレスなどが複雑にからみあって症状があらわれると考えられている。
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