恐怖からなる障害 


   恐怖症性障害には、高いところが恐い、狭いところが恐い、犬が恐い、エレベーターが恐いなど、ある特定の対象や状況に対する過剰な恐怖と、 それ程親しくはない他人の目の前で、とんでもない失敗をしてしまうのではないかと考え、極度に緊張した結果、動悸がしたり、顔が赤くなったり、汗をかいたりする社会恐怖がある。
   恐怖の対象は主に以下のものだが、多くの患者はその恐怖が度を過ぎた、不合理なものであることを自覚している。

①「広場恐怖」
混雑していて逃げ出しにくい場所(人や車の往来が激しい道路、混雑した店など)、列車やバス、飛行機を使っての旅行、広々とした場所など。
②「特定の恐怖症」
高所、閉所、動物や昆虫、ケガ、血液、注射、嵐、死、暗闇、刃物や尖った物など。
③「社会恐怖(対人恐怖)」
自分の行動や言葉の不適切さ、身体的欠陥(思い込み)などのために人々(相手)から注視されたり、不快な反応を引き出してしまうこと。

 ①「広場恐怖」や②「特定の恐怖症」はパニック発作がきっかけとなることが多く③「社会恐怖」は思春期に多く現れる。
  恐怖性障害の治療としては、軽い不快感・不安感から吐き気、めまい、失神まで症状の程度はさまざまで、恐怖の対処を避ける行動をとっても生活に支障が出ないことから、外出ができないほどの重症例もある。ただ、日本人の特有とされる対人恐怖は、学校や職場での些細な出来事をきっかけに発症し、周囲の人にその苦しさを訴えることなく「引きこもり」といった重症例に発展することがあり、注意が必要となる。

  薬物療法(抗不安薬、抗うつ薬など)や精神療法(認知療法、行動療法、支持的療法など)が行われ、また、生活に支障が出なければよいと割り切ったり、社会不安の場合は年齢を増すことで自然に良くなることがある。 パニック発作を伴う場合は専門的な治療が必要で、恐怖に直面したときの緊張を和らげるリラクゼーション法や呼吸法を習得し、恐怖をコントロールできるという感覚を持つことで症状が次第に和らぐことができる。

  加えて、患者は発作を恐れずに行動するといった認識を変えることで回復を目指す具体的な方法を精神科の治療の中で見つけることができる。 社会恐怖は他人の視線を意識する特定の状況以外では全く症状がないため、病気として自覚されたり、問題とされたりすることがなく過ぎていることが多いのであるが、大勢の前で発表したり、他人と食事をしたり(会食恐怖)、人と長く会話をしなくてはいけないときなど様々な緊張する場面で不安症状を呈する人は少なくないと最近は考えられている。
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