解離性とん走を治すためにすべきこと 


   「遁走(とんそう)」とは、逃げ出すという意味をもっている。
   「解離性遁走」とは、突然、不意に家や職場から遠くへ旅立ってしまい、過去を思い出すことができないのであるが、気質性精神障害は存在しないものを言う。

   解離性遁走は何か強いストレスや心の傷を負ったときに、突然自分の家や職場から逃げだして行方をくらます状態で、解離性障害(解離性ヒステリー)の1つで、強いストレスや心の傷に対する防衛として現れて自己を見失ってしまう。なお、解離性遁走は気分障害や人格障害を持っている人が起こりやすいといわれている。
   しばしば新しい同一性をよそおっている。この新しい同一性の記述にまとまった特徴はない。とん走状態での旅は、目的のない彷徨の形をとることもあるが、たいていは合目的的であるようにみえるし、公共の交通手段を利用することがあってもおかしくはない。偶然見かけた人は、その人の行動に何の奇妙な点をも認めないのが普通である。

   実際に彼らは、まったくせん妄状態にある人である。にもかかわらず、電車の切符を買い、食事をし、ホテルに泊まり、何人もの人と言葉を交わす。ちょっと変な様子だった、何かに没頭していて夢を見ているようだった、などと言われることもあるのにはあるが、結局彼らがせん妄状態にある”おかしな感じの”人であるとは認められない。
   とん走には、時間喪失中の位置移動があり、だから患者は、いたと言う記憶のある場所以外のどこかにいる自分に気づく。典型的なとん走状態の患者は、第一の自己(普段の状態)の記憶を持っていない。第一の自己の同一性を回復したとき、代わりにとん走中の出来事についての健忘が生じることが多いのである。

   解離性とん走の定義は、
1.優勢な障害は、予期していないときに突然、家庭または普段の職場から離れて放浪し、過去を想起することができなくなる。
2.個人の同一性について混乱している、または新しい同一性を(部分的に、または完全に)装う。
3.この障害は、解離性同一障害の経過中にのみ起こるものではなく、物質(例:乱用薬物、投薬)または一般身体疾患(例:側頭葉てんかん)の直接的な生理学的作用によるものでもない。
4.その障害は、臨床的に著しい苦痛または、社会的、職業的または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。
   受診のめやすとしては、症状に気づきしだい周囲の人が受診させる。
   本人が症状を自覚できる場合(解離性健忘)と、自覚できない場合がある。

   前者のうち、解離性健忘の患者の多くは、自分の症状を気にかけないので、自ら病院へ行くことはないだろう。自然に全快することが少なくないのだが、健忘が進む恐れも一部にはあるから、受診することが勧められる。
   後者の患者は、障害の自覚を持たないため、通常は家族など周囲の人が受診させることになる。

   しかし、とん走の場合、患者は自分個人についての記憶を失い、そのことさえ気づかないのだが、気持ちは平静で、日常的なことは普通に行えるため、見ず知らずの人の間では障害に気づかれない。
   2,3日で自然に回復することもあるが、長期化して全く別の人生を始めるような例もあるので、家族は捜索願のような手段を講じることになる。いずれにしても、気づいたら程度のいかんに関わらず、すぐ受診することが望まれるのである。
   治療法には催眠療法、薬物療法、精神療法などがある。
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