心房性期外収縮(PAC)について


   心房内に異所性興奮が発生し、本来の洞調律で予想される心房興奮より、早い時点に出現する心房興奮を心房期外収縮と言う。
   自覚症状がない場合が多い。症状が出る場合は胸部不快感(喉元にグリンと浮き上がってくるような感覚のこともある)、極めて短い胸痛、動悸、程度がひどい場合や連発した場合はさらにめまい、失神を起す。

   房室接合部より上位で生まれるものが心房性となり、房室接合部付近で発生する場合、房室接合部性と区別されるが、両者を判別するには、P波の形や出現時期を比較する必要がある。
   そのためにP波が明瞭でなく、判別が容易でない場合には、心房性と房室接合部性を合わせて上室性supra ventriculeと称される。
   早期収縮が発生した場合、その発生時期がより早期であるほど脈圧が小さくなる。

   この時、次に来る正常収縮による血圧は、逆に上昇することがあり、これは、期外収縮(早期収縮)の後、正常QRS波が登場する間隔が延長することでR-R間隔が延びることになり、そのために心室の拡張時間が延長し、充満される血液が増加する。
   この時、心室の収縮力も増強することで、拍出される血液量が増加する。
   要点としては、本来の洞結節からの興奮より早く、心房内および房室接合部付近で、興奮が開始する。
   P波は、しばしば確認できないことがあるが、QRS波は幅の狭い正常な形をとる。早期の興奮時期が、早ければ早いほど、その時の血圧は発生し難くなる。
   逆に、その次の興奮による左室収縮によって、拍出量が増え「ドキッ」と感じることがあるということがあげられる。

   一般的に肺に病気がある人に起こりやすく、若い人よりも高齢者に多くみられている。
また、心房性期外収縮はコーヒー、紅茶、酒などの飲みものや、かぜ、枯草熱、喘息などの治療薬によって誘発されたり、悪化することもある。
   診断や治療は、心房性期外収縮は検査中に検出されることもあり、心電図検査で確認できる。 焦点や基質が複数存在する場合は多源性期外収縮、正常な収縮と異常な収縮との間隔がほとんど変化しない場合は間入性期外収縮、期外収縮によって正常な収縮が相殺されて大幅に変化する場合は代償性期外収縮という。

   その他、心疾患、心臓の機能や血管の機能に問題がなければ良性期外収縮、あれば悪性期外収縮ということもある。
   良性期外収縮では生命に影響しない。悪性の場合は心房頻拍や心房粗動、心房細動、また心室頻拍や心室細動に移行する可能性が高くなる。
   心房性期外収縮が頻繁に起こり、耐えがたい動悸として感じられる場合は治療が必要となり、このような不整脈には抗不整脈薬が有効であるが、症状のない心房性期外収縮のほとんどは治療の必要が無い。
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

コンテンツ提供 by 介護の安心ガイド