心房細動と心房粗動(極端に早くなる収縮)


  心房細動
心房粗動は、高齢者に多くみられるが、非常に速い電気刺激によって、心房が非常に速く収縮している状態に加え、さらに一部の電気刺激が心室に達するため、心室も正常よりも速く、非効率的に収縮している状態を指す。
   心房細動とは洞結節からの正常のペースメーカーから心房の興奮が始まらず、心房の筋肉がワナワナと1分間に約300~500回と正常の5倍以上の速さで不規則に細かくふるえ、心房の補助ポンプとしてのまとまった収縮や拡張がなくなる不整脈である。
   その結果、心房から心室への血液が効率よく流れなくなり、心臓全体のポンプとしての効率が低下する。

   心房が毎分約300~500回のうち何割が心室に伝わるかによって心臓全体の脈拍数は変化するが、心室への伝わり方も不規則なので脈も不規則になるのだ。
   心房細動と心房粗動は、間欠的に起こる場合も、持続的に起こる場合もある。
   電気生理的に心房内の種々の場所で無秩序な興奮旋回(マクロリエントリー)が心房細動の原因と考えられている。
   その引き金として興奮旋回(リエントリー)による心房性期外収縮や、心房や肺静脈から発生する異常な自動能(ペースメーカー)焦点のこともあるのだ。
   心房と心室の電気的中継所である房室結節が正常ならば心臓全体の脈拍数は速くなり易く、頻脈による動悸などの症状を感じ易い頻脈性心房細動になる。

   房室結節の働きの低下も合併すると心房の脈拍数が間引きされ心室へ伝わる脈拍数は早くならず、単に脈が乱れた感じによる動悸のみの症状のことや、房室結節の中継(伝導)障害が強くて徐脈性心房細動となる。
   まれにWPW症候群を合併する特殊な場合では中継所の房室結節以外に心房と心室が特殊な経路(Kent束)で短絡しているため、心室の脈拍数が極端に早くなって、危険な心室性の不整脈になることもあり、専門医に心電図をみてもらうことが必要だ。

   心房粗動は、電気生理的には一番多い通常型では、右房内で時計と反対回りの興奮旋回(マクロリエントリー)が原因と考えられているが、それ以外に右房内の時計回りや左房内での興奮旋回のこともあり、その引き金として興奮旋回(リエントリー)による心房性期外収縮や、心房や肺静脈から発生する異常な自動能焦点のこともある。
   比較的規則的なこと以外は心房細動とは同じ結果だ。
   心房細動と心房粗動が同じ人におきることもしばしばみられる。
   心臓が血液を送り出すポンプ機能が衰えると、筋力低下、失神、息切れが起こり、特に高齢者では、心不全や胸痛が起こる。

   心房細動と心房粗動の治療は、心室の収縮速度を制御して、正常洞調律を回復させ、不整脈を引き起こす病気を治すために行う。
   心房細動や心房粗動が正常洞調律に戻ると、心臓から血液のかたまりが押し流され、脳卒中を起こすリスクがきわめて高くなるため、血栓や塞栓の形成を防ぐ抗凝固薬も投与する。
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