発作性上室性頻拍(PSVT)について学ぶ


  発作性上室性頻拍は若い人に最もよくみられ、心室以外の心臓組織を起源に、突発的に始まって終わる、1分間あたり160~200回の速く規則的な心拍動(頻脈)というものである。

  この頻脈は、激しい運動をしているときに起こりやすい。
洞性頻脈と異なり、突然、発作的に起こり、また突然、消失することがある。
速い速度で心臓を繰り返し活性化する期外収縮によって誘発され、この繰り返し起こる急速な活性化は、いくつかの異常が原因となって起こる。
症状の現れ方は、突然生じてしばらく続き、突然止まる動悸(どうき)や胸部違和感として自覚され、頻拍が生じていない時はまったく正常なので、健康診断でも発作時以外は異常を指摘されることは無い。

  頻拍が長時間続くと、心機能が低下してうっ血性心不全の状態になることがある。
検査や診断には、発作時の心電図所見が非常に役立つ。

  発作時の心電図が規則正しい頻拍を示し、QRS波の幅が正常であれば、発作性上室性頻拍と診断でき、QRS波とQRS波の間に、´P波が常に認められれば診断は確実になる。

  確定診断には、心臓の電気生理学的検査が必要で、これにより頻拍の誘発と停止が可能であり、頻拍中の心房波と心室波の関係を容易に把握することができる。
頻拍中の心房の興奮状態を見ることにより房室回帰性頻拍、房室結節リエントリー性頻拍、心房内リエントリー性頻拍、洞結節リエントリー性頻拍を区別できる。
発作性上室性頻拍と区別が必要な不整脈には、心房粗動、心房頻拍、単形性心室頻拍などがある。

  発作性上室性頻拍の治療は、房室回帰性頻拍と房室結節リエントリー性頻拍とが90%を占め、ともに房室結節がその頻拍の回路に含まれている。
ゆえに、房室結節の伝導を抑えると頻拍は止まるし、予防もできる可能性がある。
薬物療法としては、カルシウムチャネル遮断薬、β(ベータ)遮断薬、ジギタリス、ATP製剤などがあり、QRS幅が正常な頻拍を止めるには、ATP製剤の急速静注が最も効果的だ。

  確実に発作性上室性頻拍を止めるには、直流通電による電気ショックを選択することである。
別の方法では、高周波カテーテル・アブレーションがあり、頻拍が関わる組織を焼灼して頻拍を根治させる治療法で、治療成績がよく薬物療法に取って代わられようとしている。

  頻拍を根治させるので予防的治療法になる。
症状が殆どなかったり、短時間で止まるようなら治療の必要は無い。
しかし、頻拍を繰り返すようなら生活の質を損なうので治療が必要だ。
症状がなくても、頻拍が長期間続くと心不全を引き起こすことがあるので注意が必要である。
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