薬物の乱用による人体への怖い影響とは 


   「薬物すなわち医薬品を医学的常識や、法規制あるいは社会的習慣に反した目的あるいは用法のもとに過剰に摂取する行為を薬物乱用という。具体的には医薬品を医療のために使用するという本来の目的から逸脱した用法や用量、あるいは目的のもとに使用したり有機溶剤のように医療目的にない化学物質を不正に使用することをいう。

   モルヒネ、コカイン、ヘロイン、睡眠剤、覚醒剤、大麻、LSD、シンナー等が一般に取り上げられているが、未成年者の場合は「健康の保持増進、健全育成」の面からも、タバコに含まれるニコチンや、酒のアルコールについても見逃すことができないものである。
   日本で最も乱用されている薬物は、ここ数十年変わらず覚せい剤であるが、その使用方法は静脈に覚せい剤水溶液を注射する方法の他に、火で熱して出てくる白煙を吸引する方法があり、最近では後者の方が手軽なため好まれる傾向にある。しかし、どのような方法で薬物を摂取しようと、効果は変わらないことから、使い続けていると覚せい剤精神病の状態になり、人格障害が起こるのである。

   見た目がお菓子のようで、経口摂取で使用する錠剤型麻薬であるMDMA(エクスタシー)は、抵抗感無く使用できるため、最近多く出回っているが、乱用を続けていると心臓発作、脳卒中、けいれんを引き起こす。大麻(マリファナ)を使用すると、視覚、聴覚、知覚に変化を来し、酩酊状態になり、そのまま乱用を続けた場合、幻覚や妄想などの精神病の症状が出てくる。
   ヘロインは夢の薬として世の中に迎えられ、覚せい剤は徹夜で仕事や勉強をしてもねむくならないし、腹も空かない元気印の薬ともてはやされ、コカインは消化不良からモルヒネ中毒の治療に至る広範囲な万能薬であると一時考えられた。現在乱用されている薬物のほとんどが依存性のない魅力的な薬として登場したが、次第にその習慣性、耽溺性、依存性が顕わになり、法で規制しなければ社会に害をもたらすと判断されるようになった。

   各国の法規制にもかかわらず、体験者や乱用者は世界的に増えている。その理由は、初体験者にとっても、麻薬は神秘的な響きを持った薬物であり、ことに若者にとっては好奇心を満たす魔力を秘めているからであろう。麻薬の乱用を防止するには麻薬の恐ろしさと乱用の悲惨さを教えることは重要である。しかし、薬物乱用がもたらす心身への影響を正確に伝え、理解させることはまだ十分に行われていない。
   薬物乱用がもたらす悪影響は乱用者の身体に限らず、様々な弊害をもたらす。たとえば、犯罪、暴力、勉学からの逃避、私生児の誕生、エイズの伝播、労働力の低下、家庭の崩壊などなど列記したらきりがない。薬物乱用は医学・薬学的な問題が社会と結びついた人間の心の問題であることを忘れてはならない。
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