静脈のショートカット問題


  動静脈瘻(どうじょうみゃくろう)とは、動脈と静脈との間にできた異常な連絡通路のことである。

   血液は動脈から毛細血管を通って静脈に流れている。動静脈瘻があると本来血液が毛細血管を経由しなくてはならないのが直接動脈から静脈へ流れてしまうことになる。動静脈瘻には、先天性動静脈瘻と、後天性動静脈瘻の二種類がある。

   先天性動静脈瘻はまれだが、後天性動静脈瘻で典型的なのはナイフや弾丸による貫通性のけがにより並行して走っている動脈と静脈が損傷を受けた場合に起きやすい。動静脈瘻はすぐに生じることも、2~3時間後に生じることもあり、血液が周辺の組織に漏れ出している場合は、患部が急速に腫れ上がる。腎臓透析など治療の際、毎回の治療で静脈に繰り返し針を刺すうちに、静脈に炎症が起こり血栓ができ最終的には瘢痕組織ができて静脈が破壊されることがある。

   ・症状と診断
先天性の動静脈瘻が皮膚表面近くにあると、赤みがかった青色に腫れて見える。顔など目立つ部位にある場合は、紫色がかって見える。
   後天性の動静脈瘻を治療せずに放置すると、強い圧力によって大量の血液が動脈から静脈網に流れ、圧力に弱い静脈壁を持つ静脈は拡張してふくらみ、静脈瘤のような状態になることもある。また、血液は正常な経路よりも、拡張した静脈の方が抵抗なく流れるため、血圧が低下してしまう。

   血圧を保つために心臓はより速く力強く血液を送り出さなければならなくなり、心拍出量が大幅に増加するので心不全の原因にもなる。
   大きな動静脈瘻は特徴的な機械様雑音を出す。診断に動静脈瘻の大きさが求められる場合にはドップラー超音波検査を行う。大動脈と大静脈など、より深部の血管での動静脈瘻の診断にはMRI検査が有用である。

   ・治療
小さな先天性動静脈瘻は、レーザー凝固療法によって切除あるいは排除可能だが、この治療法は熟練が必要である。特に眼、脳、あるいはその他の重要な器官の近くにある動静脈瘻の治療は難しい。
   後天性の動静脈瘻の場合は、なるべく早く手術を行って修復する。脳内に生じた瘻のように、手術で容易に到達できない場合には、複雑なコイルやプラグを挿入する注入治療技術が使われることもある。
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