リンパ管の炎症 急性リンパ管炎のしくみ


  急性リンパ管炎
とは、1カ所またはそれ以上のリンパ管の炎症で、普通はレンサ球菌による感染症である。切傷や火傷を消毒せすに放置してリンパ腺まで腫れてしまった苦い経験はおそらくどなたも持っているだろう。

   レンサ球菌は腕や脚のすり傷や切り傷からリンパ管に侵入するのが普通である。皮膚と皮膚のすぐ下の組織のレンサ球菌感染症(蜂巣炎))がリンパ管に広がり炎症を起こすこともある。ときには、ブドウ球菌やその他の細菌が原因になることもある。
   感染後は腕や脚の皮膚の下に赤くて温かい圧痛のある不規則な線が出現する。この線は感染部位から鼠径部(そけいぶ)や腋窩(わきの下)などのリンパ節の集合部位に向かって伸びていくのが観察される。このときリンパ節の状態は指で押すとグリグリとした丸いものとして感じられ、肥大部は痛みやつっぱりを感じるようになる。

   併発する症状として発熱、悪寒、頻脈、頭痛、嘔吐などがあり体の赤い線が出現する以前の初期段階で兆候的にあらわれることがある。感染がリンパ系を侵し血流へと及んでしまうとその後は全身に広がるのに時間はかからない。

   感染によりリンパ管周辺や皮膚組織にまで炎症が広がることもある。重傷の場合は皮膚の組織が炎症により崩壊変質する皮膚潰瘍などもごくまれではあるが発症することがある。

   急性リンパ管炎の診断は症状の状態により最適な方法が選ばれる。血液検査では普通、白血球の数が増加が確認され病原体に対する体の抵抗を知る手がかりとなる。このように病原微生物が血流内に広がる場合は血液検査は有効な手段となるが、それだけでは病原菌の種類を特定できない。

   特に急性リンパ管炎の病原微生物を同定することは困難である。感染部位の傷から膿など採取し、培養、同定を行うことが可能な場合は治療法も特定しやすく、抗生物質など適切な投与により効果的な治療をおこなうことができる。

   特にジクロキサシリン、ナフシリン、オキサシリンなど、ブドウ球菌とレンサ球菌に効果のある抗生物質を使用することによって急速な治癒効果が期待できる事が知られている。抗生物質投与は感染拡大の防止と炎症を軽減する目的もあり、感染した菌が特定できない場合でも二次感染を防止し経過を改善するために用いることもある。
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