多発性硬化症について


   多発性硬化症は中枢神経系の脱髄疾患の代表的な一つである。
   この脱髄が斑状にあちこちにでき(これを脱髄斑という)、病気が再発を繰り返すのが多発性硬化症(MS)である。MSというのは英語のmultiple sclerosisの頭文字をとったもので、病変が多発し、古 くなると少し硬く感じられるのでこの名がある。

   MSは若年成人に発病することが最も多く、平均発病年齢は30歳前後である。15歳以前の小児に発病することは稀ではないが、5歳以前には稀で、3歳以前には極めて稀である。また、60歳以上の老人に発病することは稀で、70歳以降では極めて稀である。但し、若い頃MSに罹患していて、歳をとってから再発をすることがある。MSは女性に少し多く、男女比は1:2~3位である。
   はっきりした原因はまだ分かっていなが、自己免疫説が有力である。私達の身体は細菌やウイルスなどの外敵から守られているのだが、その主役が白血球やリンパ球などの免疫系である。ところが免疫系が自分の脳や脊髄を攻撃するようになるのである。これが自己免疫疾患である。

   先ほど述べた髄鞘が傷害されるので、脱髄が起こり麻痺などの神経症状が出るのである。なぜ自己免疫が起こるのかはまだ分かっていないが、遺伝的になりやすさを決定する因子が関与していると考えられている。また先ほど環境因子とくにウイルスなどの感染困子が関与すると述べたが、免疫担当細胞がウイルスのような病原体と戦ううちに間違えて自分の脳を攻撃するようになるのではないかと言われている。

   従ってウイルスが直接の原因ではないので、この病気が接触その他で人から人にうつることはない。
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