副腎白質ジストロフィーについて学ぶ


   副腎白質ジストロフィーとは、中枢神経系(脳や脊髄)において脱髄(神経線維を覆っている髄鞘と呼ばれるさやの部分の崩壊が起こる病態)や神経細胞の変性を主体とし、かつ、腎臓の上にありホルモンを産生している副腎という臓器の機能不全も伴う疾患で、男性におこる遺伝病のひとつである。

   中枢神経系白質、副腎皮質、血清、白血球、赤血球など全身の組織において極長鎖脂肪酸と呼ばれる脂肪酸の増加を認められる。男子2~3万人に一人の割合と考えられ、ほぼ同数の女性の保因者がいると考えられる。通常、女性の方は症状を示さない。主として男性の方におこる遺伝性疾患である。

   女性の方は保因者といって異常のある遺伝子を持っているが、通常は問題となるような症状はない。異常な遺伝子をもつ男性の方の40%は小児、思春期までに大脳型と呼ばれる症状で発症する。症状は多くは急速に進行し、神経症状を呈する人の割合は年齢を経るごとに増加する。成人では下肢のつっぱり感、歩行障害を主体とする神経症状が出現し50歳台までにほぼ全員の方が何らかの神経症状を示す。

   副腎白質ジストロフィー症では原因となる遺伝子が性を決める染色体(X染色体)上に存在する。男性は通常X染色体は一つしか持たず(女性は2個)そのためX染色体上に異常遺伝子がある場合、補助するもう片方のX染色体がないので、男性は女性に比して発症しやすくなる。

   このような遺伝形式をX連鎖性劣性遺伝形式という。遺伝子異常をもつ女性を保因者という。女性保因者は健常なX染色体と病因遺伝子のあるX染色体の2つをもっており、どちらか一方が子供に伝えられるので1/2の確率で子供に遺伝する。

   ただし発症するのは子供が男児の場合であり、女児である場合は1/2の確率で保因者となる。一方発症した男性からその方の男の子に遺伝子が伝わることはない。一方女児は100%保因者となる。
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