脊髄損傷・脊椎損傷という疾病とは


   交通事故、高所よりの落下、落下物、スポーツなどによって起こる病気である。
   成人ではそのうち交通事故と転落によるものがほとんどであるが、10~15歳では水泳、ラグビーなどのスポーツによるものが多くみられる。また老人では骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などがあり、軽度な外傷でも起こりえるのである。
   受傷のメカニズムとしては、脊椎に対する垂直圧迫力、屈曲外力、屈曲捻転外力、伸展外力、その他、剪断(せんだん)力、牽引(けんいん)外力などがあり、脊椎損傷が発症する。

   発症の起こりやすい部位としては第5,6頸椎および胸腰部移行部である。また分類としては環椎、軸椎の損傷の上位損傷と第三頸椎以下の損傷とに分けられる。そして脊髄損傷を合併した場合の麻痺の程度を不全麻痺、完全麻痺に分けるが、麻痺の程度を運動、知覚に分類し、Grade-Aのcomplete(完全麻痺)からGrade-Eのrecovery(正常)の5段階に分けたFrankel分類のほうが 臨床上有用である。
   脊椎損傷では合併損傷の有無によって症状が異なる。局所症状として骨折の疼痛(とうつう)だけでなく神経根の疼痛もある。骨折による変形、機能障害があり不用意な体位変換により疼痛、変形も増強してくる。

   合併損傷として脊髄損傷が高率にどの部位でも発生するが、脊髄損傷が発生すれば損傷部位以下の麻痺、頸椎レベルで第4頸髄神経以上では 四肢麻痺および呼吸麻痺、第5頸髄神経以下では四肢麻痺、胸・腰椎レベルでは下肢麻痺が生じる。また知覚麻痺、膀胱直腸障害も同時に起こる。

   そして脊髄損傷以外の合併症は、頸椎部では椎骨(ついこつ)動脈不全症候群、胸椎部では肋骨(ろっこつ)骨折および血気胸(けっききょう)、腰椎部では腹部内臓損傷等が発症する。

   診断は、まず痛みの部位の確認を行う。次に呼吸麻痺はあるのかどうか、どの部位以下に麻痺があるのか、知覚はどこのレベルからわからないのか、膀胱直腸障害はあるのかを確認する。そしてそれらの検査・問診で損傷部位を推定する。そうすれば単純X線の4方向撮影でほとんどの診断は可能となる。

   しかし上位頸椎損傷ではその形態、機能上の特殊性により、開口位正面撮影、断層撮影を追加する。また場合によってはCT、MRIも有用である。そして脊椎のアライメント(aligment=側方向から見た脊椎の配列)の異常、椎体前面の腫脹像、各骨折の型、程度、脱臼などを確認するのである。
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