脊髄神経とその損傷


   脊髄神経は、背中の硬い背骨の中を縦に長く走っているので、普段はあまりケガを受けないように防御されているわけであるが、直立して歩くという人間の姿勢は、かえって背骨の弱さ作り出していることになる。あの重い頭をささえている首の骨、上半身の重みを受けている腰の骨は、以外にも上下からの圧カの時に大事な脊髄神経が切れて手足の麻痺を起こすことになる。

   昔は、高い所から落ちたり、重い物が背中にあたる労働災害事故により腰の神経が切れて、両足が動かなくなることが多かったが、最近は、交通事故の増加によって、自動車の追突から首の骨が折れて、手足が動かなくなる若い人が多くなっている。

   スポーツまたは学校体育のケガによるものも多く、跳び箱、トランポリン、柔道、ラグビー、水泳などが主な原因となっている。外傷により、脊髄に障害が発生し、神経伝達路が遮断されて、傷害部以下に運動麻痺と知覚麻痺、自律神経障害が起きる。頚髄に発生すると四肢麻痺となり、胸髄、腰髄に発生すると対麻痺が起きる。

   発生原因としては、日本の全国統計では、交通事故が最も多く、次いで高所転落、転倒と続いている。諸外国でも交通事故が第1位であるが、交通の少ない時代や地域、開発途上国は、順位が逆転している。

   頚髄損傷と胸髄損傷の発生比率は、頚髄損傷の発生率は1950年代は10%内外だったが、以後次第に増加し、1990年には約75%へと増加している。原因は最近の救命救急の技術的進歩により、頚髄損傷の死亡が減少したことや、バイク事故、プール事故、高齢者の転倒事故などが増えたためである。
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