急性横断性脊髄炎は早めの診断を


   急性横断性脊髄炎は、急性または亜急性に横断性脊髄症状(対麻痺、四肢麻痺、体幹のあるレベル以下の対称性知覚障害、膀胱直腸障害)を呈し、その原因となる他疾患(髄外圧迫性病変、ギランンバレー症候群、結核、梅毒、動静脈奇形、外傷、腫瘍など)が明らかでないものをいう。

   急性横断性脊髄炎の原因は不明であるが、上気道感染、下痢など先行感染が1-2週前にあることが多く、免疫が脊髄に対し病的に活性化するために起こると考えられている。幼児から高齢者まで幅広く発症し、男女比はほぼ同等である。1/3で完全回復し、1/3でなんらかの麻痺や膀胱直腸障害が残存、1/3で重度の麻痺が残存するとされている。 急性横断性脊髄炎は突然の頭痛、頚部痛、背部痛などで始まり、障害レベルでの締め付け感などがある。まず急激に背部痛を発し、脚の両方における痺れと脱力が示される。これが体の上側にその範囲を拡大していく。また排尿困難も示され、いずれも数時間ないし数日に渡って症状も重くなっていく。

   更に悪化すると腸管制御不能や膀胱の制御が失われていく。尚、障害の酷さは、脊髄において発生した場所或いはその炎症の度合いによって変化する。
   多くの場合、症状は完全に消失するに至るが、中には痺れ及び脱力が残ってしまうケースがある。通常、早期に症状が示されるほどその改善率も上昇していく。
   急性横断性脊髄炎は自己免疫が関係していることもあるため、この免疫を抑える目的で高用量のステロイドの投与による治療方法が行われることもある(プレドニゾロン100mg/day程度から始め漸減)。またビタミンBグループなどの内服や血漿交換療法なども施行される場合がある。尚、鑑別が必要とされる疾患ではギランバレー症候群の他、脊髄における血流遮断や脊髄圧迫などがある。症状によってはリハビリテーションが必要になる。
   急性横断性脊髄炎を疑う場合はMRI、髄液検査などを行う。髄液検査では細胞数とタンパク質濃度の軽度の上昇がみられる。MRIでは急性期にT2で病変部に高信号を認める。多くは単発で多髄節にわたる。横断像では脊髄中央部を中心にしたび慢性高信号、T1では低~等信号で病変部の脊髄の腫大を認める。造影効果は約半数で認められ、亜急性期に造影MRIで増強効果を認めることが多いとされている。慢性期になるとT2での高信号は縮小または消失する。
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