抹消神経障害とはどんな病気?


  末梢神経障害では指のしびれや触覚、痛覚、温度覚の知覚の低下などがみられる。これらは寒冷により増悪する。したがって、末梢循環障害の症状と一部オーバーラップする点があるので、明確な区分は困難な例もある。問診時に手指が冷えていない時の自覚症状の状況を聞き取ることも重要な点である。
   末梢神経障害の病態は、長期間の振動曝露による皮膚の知覚受容体、小神経終末および末梢神経繊維の変性によるものと考えられる。末梢神経繊維の変性は形態学的、電気生理学的に研究されている。手のしびれは頚椎性疾患、胸郭出口症候群、糖尿病、扼性神経障害等の疾患で起こるので、鑑別診断が極めて重要である。病気ではないが夜間異常感覚といったものにも注意する必要がある。

   日常診療で頻度の高いのはなんといっても頚部脊椎症性の疾患である。中年以降に手のしびれを訴えた場合、診察時には必ず頚部脊椎症に関して詳しく検査すべきであり、絞扼性神経障害にも注意を払うべきである。また、上腕上顆炎でも患者は手がしびれると訴えることがあるので注意が必要でる。
   振動障害に由来する痺れや感覚鈍麻の治療効果は期待できないが、他疾患による痺れや痛みは治療効果が期待できるので、患者のQOLを配慮すると、鑑別診断が重要であることは理解できると思われる。また、振動障害では尺骨神経障害・正中神経障害などの絞扼性神経障害が起ることは稀である。しかし、橈骨神経が障害されることはほとんどない。

   尺骨神経が障害された場合には環指と小指にしびれ・感覚鈍麻といった自覚症状が現われてくると共に、指の開閉運動が悪くなり、指と指との間で紙を挟む力が低下してくる。これを調べる方法としてペーパーテストがある。また親指の内転筋力が弱くなるため、親指と示指で紙を挟み力を入れるようにさせると、悪い方の親指の関節が屈曲する。これをフローメンのサイン陽性と言う。
   このような状態になれば骨間筋や小指球筋の萎縮もみられる。このような手を鷲爪手という。症状は環指、小指の知覚障害、環指、小指の鷲爪変形、骨間筋及び小指球筋の萎縮であり、前述のペーパーテスト陽性、フローメンのサインが陽性となる。
   肘部とか手掌部の尺骨管で神経が圧迫されて障害が現われる。肘部に障害がある場合を肘部管症候群、尺骨管に障害がある場合を尺骨管症候群という。尺骨神経の運動神経線維および知覚神経繊維の伝道速度検査が必須となる。
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