筋肉刺激の異常・運動ニューロン疾患とは


   運動神経(大脳からの運動の命令を筋肉まで伝える神経)が選択的に障害され、運動神経以外(感覚神経や自律神経、脳の高度な機能)はほとんど障害されない進行性の神経変性疾患を、総合的に運動ニューロン疾患という。
   原因はまだはっきりしていない。アミノ酸代謝の異常や自己免疫が関係するなどいくつかの学説がある。
   家族内発症の一部では、遺伝子異常が見つかっている。慢性に進行し、重篤な運動障害をおこすが、特別な治療法がまだなく、特定疾患(難病)の一つとされている。

   運動機能に関与するニューロンは、大脳皮質から脊髄の前角細胞に至る上位運動ニューロンと、前角細胞から骨格筋の運動終板に至る下位運動ニューロンに分けられる。運動ニューロン疾患に属する代表的な病気は、上位と下位の両運動ニューロンが侵される筋萎縮性側索硬化症である。

   そのほか、上位運動ニューロンの障害による家族性痙性対麻痺(けいせいついまひ)、下位運動ニューロンの障害による進行性脊髄性筋萎縮症や進行性球麻痺などがある。

   家族性痙性対麻痺は小児期、思春期に発病し、両下肢の痙性麻痺を特徴とし、進行は緩徐である。進行性脊髄性筋萎縮症は30~50歳に好発し、四肢末梢に筋萎縮や筋力低下を認める。進行性球麻痺では延髄の運動神経核が侵され、嚥下(えんげ)障害、構語障害、舌の萎縮などがみられる。

   この病気は単独でみられることもあるが、筋萎縮性側索硬化症に伴うことが多く、進行が早くて予後はきわめて悪い。 運動ニューロンとは、骨格筋を支配している末梢神経の母体である脊髄前角細胞、さらにその脊髄前角細胞に随意運動のための刺激を送ってくる大脳皮質の運動神経細胞(その神経線維は錐体路、脊髄では側索を通る)を言う。
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