神経叢障害にならないために


   神経叢(しんけいそう)とは、脊髄神経の前枝は、肋間神経以外で神経線維が互いに合流し、一旦神経の束を形成した後、独立した神経に分岐する。この神経の束を神経叢と呼ぶ。

   脊髄神経には、腕神経叢の他、頚神経叢・腰神経叢・仙骨神経叢がある。従って、神経叢から分岐した神経は、大後頭神経が第2頚神経後枝で構成されているように単一の脊髄神経で構成されていない。筋皮神経は、第5~7頚神経から構成され、橈骨神経は、第5頚神経~第1胸神経が合流している。
   神経叢障害は、外傷及び癌などが主な原因とされ、また自己免疫反応なども損傷を受ける原因になることがある。
   神経叢が損傷を受けることで、その損傷部分より先の組織において障害が引き起こされる。代表的なのが首に位置する腕神経叢と腰に位置する腰仙骨神経叢といったものがある。尚、急性腕神経叢炎は急激に腕神経叢において機能不全を引き起こす疾患であり、自己免疫反応が原因ではないかと言われている。

   腕神経叢では腕全域或いは部分的に脱力そして痛みを生じ、機能不全を引き起こす。外傷を起因にするものでは緩やかに改善しやすく、症状が重ければ脱力が生涯に渡って残存することもある。自己免疫反応を起因にするケースでは数日ないし一週間ほどで腕力を喪失し、その後数ヶ月かけて回復していく傾向にある。
   腰仙骨神経叢では腰全域或いは部分的に脱力、そして痛みを発生させる。自己免疫反応に起因するものでは数ヶ月に渡ってゆっくりと改善していくが、この改善速度は障害の原因によって違ってくる。また脱力に関しては麻痺が下肢全域に見られることもあれば、ふくらはぎ及び脚の動きのみに限定されることもある。診断はMRIやCTの他、神経の伝導試験や筋電図などによって確定される。

   外傷に起因する場合は、自然治癒に依存する。癌を原因とするものでは、手術によって切除することもあれば、放射線療法及び化学療法などを組みあせての治療方法が採用されることもある。自己免疫反応に起因する神経叢障害ではステロイドの投与による治療法が行われることもあるが、その有効性は明確になっていない。
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