胸郭出口症候群を治すには


   胸郭出口(きょうかくでぐち)症候群とは、鎖骨周辺で腕神経叢(わんしんけいそう)という腕や手指に行く末梢神経の束が、腕や手指に行く鎖骨下動脈鎖骨下静脈という血管とともに圧迫されて起こる病気である。
   心臓から続く血管が、胸郭を出た所で神経とともに圧迫されるので、この名称がある。

   首や肩・腕を特定の位置にもっていくと、腕や手指にしびれやだるさ、痛みなどが現れる。首が長く、なで肩の女性に多く、20代にピークがある。鎖骨周辺で神経や血管を圧迫する原因がいくつかあり、前斜角筋(ぜんしゃかくきん)と中斜角筋(ちゅうしゃかくきん)という首の筋肉の間で圧迫されると斜角筋症候群、鎖骨と第1肋骨の間で圧迫されると肋鎖(ろくさ)症候群、小胸筋を通る時に圧迫されると小胸筋症候群、頸椎にある余分な肋骨で圧迫されると頸肋(けいろく)症候群、これらをまとめて胸郭出口症候群と呼ばれる。

   手指や腕のしびれ、熱感・冷感、脱力感で始まり、徐々に首や肩、肩甲部のうずくような痛みが現れる。
   症状は、電車のつり革につかまる時のように肩をあげて後ろに反らす運動や、首を反対側に傾けてさらに後ろへ反らす運動をする時に強くなる。

   神経が圧迫されるとしびれや痛みが現れ、動脈が圧迫されると腕や手指の色が蒼白になり、静脈が圧迫されると腕や手指の色が暗青紫色になる。進行すると、このような動作がまったくできなくなる。

   症状と病歴から推測できるが、誘発テストでさらに確かになる。鎖骨の上のくぼみを指で圧迫して痛みやしびれを誘発するモーレイテスト、首を反対に倒して反らせると手首で動脈の脈拍が触れなくなるアドソンテスト、肩をあげて後ろへ反らせると手首で動脈の脈拍が触れなくなるライトテスト、肩をあげて後ろへ反らせた位置で指の屈伸運動を行うと、腕がだるくなって3分間続けてできない3分間挙上負荷テストなどがある。

   画像検査では血管造影やMRI血管造影で、特定の姿勢で血管内の造影剤に途絶がみられる。 治療方法としては、症状を悪化させる動作を禁止し、消炎鎮痛薬を内服する。重症例では手術が必要で、原因により第1肋骨切除、頸肋切除、前斜角筋切除などを行う。
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