意思決定と法的判断 


   法的に成人とは、20歳以上の人を指し、法的判断能力(コンピテンシー)があると見做し、自己決定権、職業を営む権利、治療上の決定をする権利を有する。法的判断能力とそれに伴う権利は死ぬまで有効だが、アメリカでは判断不能を宣告し、その際に判断の権利を剥奪できるのは裁判所だけであり、この決定がなされた場合や、この権利を自らの意思決定により、他者に移管した場合はその限りでは無い。

   判断不能の宣告がされた場合、その人が医療判断代理委任状やリビングウィルなど、公的な文書を作成し、代理人を認定していた場合を除き、その人の利害に最も適合した人の選定も裁判所の役目となる。
   意思決定能力(キャパシティー)は、法的ではなく医学的判断に関して、治療、処置、その他健康関連の問題に対する決定能力を意味する。意思決定不能の判断は、医師などの医療専門家が行い、医療に関して肉体的にも精神的にも、適切な判断と遂行が不可能な状態を指す。

   昏睡状態の人はあらゆる判断は出来ず、脚を骨折し動けないならば、判断は下せても遂行能力は無い。軽度の痴呆患者であれば医師との話し合いの内容の理解と、ケアに関する判断は可能かもしれないが、金銭取引などの判断は難しいだろう。

   痴呆患者はケアや、重要な法的・商的取引を行う前に、医師、弁護士などに認知能力、記憶能力、判断能力のレベル評価を依頼する必要がある。患者自身で医療の判断を下すことが不可能と判明したら、医師が患者の指名する代理人に判断を仰ぐことになる。

   高齢者が病気に罹った場合に、判断不能と意思決定不能の問題が頻発する。何らかのリスクを伴う検査や治療を行う場合、医師はそのリスクと利益の判断が可能な人に許可を得る。患者に判断能力と意思決定能力があれば患者本人が判断し、無い場合は医療判断代理委任状による代理人の判断となる。代理人がいなければ、医師が最も近親の家族に判断を仰ぐのが通例である。
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