べル麻痺(顔面神経麻痺)について


   顔面神経は顔面の表情筋を支配している脳神経であり、この神経が麻痺すると、目や口を閉じることが困難となり、顔面がゆがむ症状が出る。別名「ベル麻痺」ともいわれる。
   発症は急性で、発症の1~2日前に耳の後ろに痛みを感じ、2~5日以内に片側の顔面神経麻痺が発症する。顔面神経麻痺が生じると、額にしわをつくることができない、目を閉じることができない、頬をふくらませることができない、口笛が吹けないなどの症状が現れる。顔面の感覚は保たれるが、味覚障害が生じることがある。また同じ側の聴覚異常を感じることもある。回復は味覚障害から始まり、1週間以内に味覚障害が回復すると予後がよい。

   顔面神経麻痺は、いろいろな原因によって生じる。例えば、頭部外傷、脳腫瘍、脳血管障害などである。
   ベル麻痺とは、このような原因がなく生じる顔面神経麻痺のことで、通常左右のどちらかに発症する。ベル麻痺の原因としては、感染説、寒冷説、循環障害説などの説がある。 男女差はなく、あらゆる年齢層に発症する。ただ、糖尿病があると発症率がややが高くなり、発症率は10万に対して25人ぐらいといわれている。

   治療法は、ベル麻痺の原因は明らかではないが、一般に特別な治療をしなくても数週間以内に自然治癒することが期待できる。しかし一部に後遺症が残ることがあるため、治療はこの後遺症を残さずに回復させるように行われる。麻痺の程度が軽い場合や若年者の場合は予後が良好だが、高齢者や糖尿病の合併症があると回復が悪い傾向もある。
・薬物療法:
ステロイドホルモンや循環改善薬が使用される。また一般的にビタミンB剤の投与も行われる。単純ヘルペスウイルス感染説からは、抗ウイルス薬が有効である。
・理学療法:
麻痺した顔面筋の萎縮を防ぐため、麻痺側の顔面筋を健側と同じ動きになるようマッサージする。額にしわを寄せる、目を閉じる、「イー」と発音する、頬をふくらませるなどの運動を行う。
・眼科的治療:
麻痺のため閉眼できなくなると、角膜が乾燥して角膜に傷が生じる。とくに睡眠中が問題で角膜保護のための対策が必要である。
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