嗅覚の仕組みと障害について


   人の5感は聴覚、視覚、嗅覚、味覚、触覚で、特に、嗅覚・味覚は人の生活の質の向上に役立っている。

〔嗅覚の仕組みと障害〕
   「なぜニオイが分かるか」?、ニオイ物質は気体となって空中を浮遊し、鼻の中に吸いこまれ、鼻の奥のほうにある嗅覚細胞に触れ、そこでニオイは、電気信号として嗅神経に伝達し、すぐ上の大脳の中の嗅球に伝わり、ニオイとして認識される。
   通常、嗅覚力は、若年者は経験不足で嗅覚の力が弱いと考えられ、30歳から50歳がピークである。60歳以降は嗅覚の力は徐々に低下していく。人の嗅覚の力は犬と比較すると、100から1000分の1と考えられ、それは嗅細胞の数によっているものと思える。

   嗅覚の障害には、 (1)ニオイ分子が嗅覚細胞に伝わらない(鼻づまりなど)
(2)嗅上皮の障害(末梢神経性嗅覚障害という)
(3)脳までの神経経路、または中枢の障害(中枢性嗅覚障害という)
(4)薬剤性嗅覚障害
(5)先天性嗅覚障害

  などの障害がある。 嗅覚障害発症の原因には、色々な部位で考えられ、その部位によって呼吸性、嗅上皮(嗅細胞)性、中枢性に分類される。

   ○呼吸性はにおい物質が嗅上皮にまで届かないことで起こる。鼻腔内の病気によって嗅上皮への道(嗅裂)が閉鎖しているときに見られる。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎のときの粘膜の腫れや鼻茸による嗅裂の閉鎖により嗅覚低下を認める。突然に起こるのではなく、元の病気の程度によって嗅覚障害の程度は変化する。
   ○嗅細胞は神経の一部なので、神経を障害するウイルス(感冒)や慢性炎症による影響によって嗅覚障害が発生する。ウイルスによる嗅覚障害は突然に起こる。細胞が障害されると治癒は難しいと思われる。炎症によって引き起こされる細胞障害は早期であれば比較的回復する。
   ○中枢性は神経障害を引き起こすウイルスや薬物によって発症する。また、Malfan症候群のように先天性に嗅覚障害をもつ病気もある。
   嗅覚障害の治療は障害の発症原因によって治療方法が変わる。呼吸性嗅覚障害はアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などの病気の治療が嗅覚障害の治療につながる。

   粘膜の腫れや形の異常により嗅裂の閉鎖が著しい場合は鼻中隔矯正術、鼻内副鼻腔手術や鼻茸摘出術などの必要がある。嗅細胞性では炎症が伴っている場合は、呼吸性同様に元の病気を治療することが大事である。さらに神経細胞を回復させるために、ステロイドホルモン剤の内服や点鼻療法を行う必要がある。また。ビタミンB12や血管拡張剤なども有効とされている。 中枢性では現在、有効な治療法がない。
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