慢性閉塞性肺疾患の症状 


   慢性閉塞性肺疾患の患者は、透明な痰を伴う咳が45歳ごろまでにでてくる。咳は起床後すぐ、また約10年間続き、運動とともに息切れを起こす。たんの色は透明から黄色や緑に変わり、咳の回数や痰の量が増加する。中年から60代後半になると、喫煙者は特に運動に伴う息切れがさらに悪化する。

   肺の感染症にかかると、入院が必要になることもある。感染症が治った後も、日常的な動作の際に息切れが続く。重度の慢性閉塞性肺疾患の患者の約3分の1の割合で、息切れのために食事をとるのが困難なため、また腫瘍壊死因子とよばれる物質の血液中の濃度が増加するために、著しい体重減少がみられることもある。

   また肺性心と呼ばれる脚にむくみが出る症状もでることがある。慢性閉塞性肺疾患の患者は気管支の炎症により、咳に血がまじることがあるが、肺がんによる可能性もある。症状が進行するにつれ、一部の患者、特に肺気腫の患者に独特な呼吸パターンがみられる。空気が肺にたまり続けるため、時間の経過とともに肺が膨張することで、胸部が樽状になり、チアノーゼが起こることがある。

   指先が大きくふくらみ、そのために爪甲が丸く大きくなるばち指がみられることも稀にある。肺から胸膜腔へ空気が漏れだす気胸が起こることもあり、気胸が起こると突然の痛みや息切れが生じるため、胸膜腔内から空気を抜く治療が必要になる。慢性閉塞性肺疾患が、咳、たん、息切れ症状の悪化である急性増悪が起こると、症状が一気に悪化し、発熱や全身の痛みなどが起こる。

   息切れは安静時にも起こり、入院が必要になることもある。ひどい大気汚染やアレルゲン、ウイルスや細菌感染などが急性増悪の原因になっている。

   医師は痰を伴う咳が長期間続いている場合に慢性気管支炎と診断する。身体所見と肺機能検査の結果、総合的に肺気腫を診断するが、患者の感じ方や、機動の閉塞の程度を重要なポイントとするため、慢性気管支炎と肺気腫を区別する意味があまりない。軽度の慢性閉塞性肺疾患では身体所見に異常は認められず、病気が進行するにつれ、呼吸音の減弱が目立つようになる。

   また、胸部X線検査では肺の過剰な拡大が見られるため、肺気腫の存在を確認できる。さらにスパイロメーターを用いて、機動の閉塞の程度を調べるほか、血液検査や、パルスオキシメーターからえられたサンプルなどの分析をしていく。禁煙者で慢性閉塞性肺疾患が発症した場合は、アルファ1-アンチトリプシン欠乏症であるかを調べ、遺伝性疾患を疑うこともある。
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