ベリリウム症の症状と治療 


   ベリリウム症は、ベリリウムと含む粉塵や蒸気を吸い込むことで起こる肺の炎症である。前は電子および化学産業や、蛍光灯の製造などに使用するためにベリリウム採掘と分離がおこなわれていたが、現在は主に航空宇宙産業やベリリウムとアルミニウムに使用され、これらの産業にかかわる労働者に加え、ベリリウム精製所の近くに住む人の中にもベリリウム症の発症がわずかにみられる。

   ベリリウムに過敏な人のみがさらされた量が少量であってもベリリウム症を発症するという点では他の職業性肺疾患とは異なっている。また発症するのはごくわずかな人のみだが、比較的短い時間ベリリウムにさらされただけでも起こる可能性もある。

   ベリリウム症には突然発症する急性ベリリウムと慢性ベリリウムがある。急性ベリリウムは主に肺炎を起こし、肺が固くなり、機能が低下する。また呼吸困難、せき、体重減少などの症状が急激に現れ、皮膚や目にも悪影響を与えることがある。一方、慢性ベリリウム症は、肺の内部に異常な組織ができ、リンパ節が種大し、呼吸困難、せき、体重減少などの症状は10~20年後から少しずつでてくる。

   ベリリウムにさらされた経験、症状、局部X線検査での特徴的な変化を元にベリリウム症と診断される。患者のX線画像はサルコイドーシスという異なる肺疾患と似ているため、ベリリウムリンパ球増殖試験という免疫学的な検査が必要になる。

   急性ベリリウム症は重症になることもあり、人工呼吸器を使用し、コルチコステロイド薬を投与するなどの適切な治療を行うことで、ほとんどの患者は1週間ほどで回復することができるが、重症の患者は死亡することもある。

   慢性ベリリウム症の患者の経過は全くことなり、持続しながら、徐々に進行する傾向がある。肺の損傷がひどい場合は、心臓に負担がかかり、肺性心とよばれる心不全を起こし、死亡することもある。
   内服薬のプレドニゾロンなどのステロイド薬が処方されることがあるが、一般的にあまり効果はない。ベリリウム症にならないために、ベリリウムにさらされないように厳重に気を配ることで予防ができる。
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