サルコイドーシスの実態 


  サルコイドーシスの患者の半数以上は、肝臓に肉芽腫がみられ、特に症状はなく、肝臓の機能も正常にみえる。またごくわずかな割合の患者は、脾臓や肝臓が腫大していて、肝機能の悪化によって黄疸が生じるのはまれである。

   また全体の4分の1の割合で、眼の異常が起こり、ぶどう膜炎という眼の一部の内部構造で起こる炎症を引き起こすことがある。この炎症がおこることで、眼は充血し、痛み、視力が低下する。炎症が長期間続くと、眼からの排液が妨げられる為に緑内障を起こし、失明することもある。

   また結膜に肉芽腫ができることもある。この肉芽腫は特に何も症状を引き起こさない。患者の中には、眼の乾きや痛み、充血を訴える人もいるが、サルコイドーシスにより涙腺の働きが鈍くなり、眼を潤滑に保つのに十分な涙液をつくれなくなるためと考えられている。

   また、心臓にできた肉芽腫は、狭心症や心不全を起こすことがあるうえ、心臓の電気伝導系の近くに形成された肉芽腫により、不整脈を起こし死亡することもある。炎症によって広範囲の関節が痛み、手足の関節が異常を起こすことが最も一般的で、嚢胞が骨の中に形成され、その近くの関節が腫れ、圧痛が起こる。

   サルコイドーシスが脳神経系に異常を起こすと、顔の片側が垂れたり、ものが二重に見えることがある。下垂体やその周囲の骨が影響を受けると、下垂体が腎臓で尿を濃縮するために必要なホルモンをつくらなくなるので、尿崩症が起こることがある。
   サルコイドーシスは、肉芽腫が、腸管からのカルシウムの吸収を促進する活性型ビタミンDをつくるため血液や尿の中にカルシウムが蓄積し、高濃度になる。血液中のカルシウム濃度が高くなると、食欲不振、吐き気、嘔吐、のど の渇き、過剰な尿の生産などが起こり、それが長く続くと、腎結石や腎臓内へのカルシウム沈着を引き起こし、やがて腎不全 を起こす。

   サルコイドーシスの診断は、リンパ節の腫大や、胸部X線検査もしくはCT検査でのすりガラス状陰影などで、さらに検査が必要な場合、組織を採取して顕微鏡検査を行う。 炎症や肉芽腫が認められれば、診断を確定する。最もすぐれた方法は、気管支鏡を使った肺生検で、異常のある皮膚や皮膚表面に近い腫大したリンパ節、結膜上の肉芽腫などからサンプルを採取する。検査の結果は、ほとんど正確で、肝臓に病変があると示された場合でも、肝生検が必要となることはまれである。
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