胃にひそむ異物の正体


   胃石と異物のほとんどは症状は特にみられない。

   小さな鈍いものを飲みこむと、食道に何か詰まったような感じがある。
   この感覚は、その物体が胃に入った後でも少しの間続く。
   尖った小さな物体を飲みこむと、嚥下能力が正常でも、食道に刺さって痛みを起こすことがある。
   食道が完全に塞がるとものを飲みこめなくなり、唾液さえも飲みこめなくなる。
   そしてよだれが垂れ、唾液を定期的に吐き出さなくてはいけなくなる。
   嘔吐しようとしても、何も吐き出せない。

   胃石や異物が原因で、血便が出ることもある。
   胃石や異物が胃、小腸、大腸などを部分的にあるいは完全に塞いでしまうと、けいれん、膨満、食欲不振、嘔吐、時に発熱が起こる。
   尖った物体が胃や腸を貫通すると、内容物(便)が消化管の周囲にあふれ、激しい腹痛、発熱、失神、ショック症状などが起こる。
   こうした漏れは腹膜炎の原因となるため、緊急手術が必要だ。

   閉塞物は腹部X線検査でみえることがある。
   閉塞物の正体をを突き止め、原因が癌でないことの確認のために、内視鏡検査を行うこともある。
   CT検査や超音波検査を行うこともまれにある。

   胃石と異物のほとんどは、治療の必要はない。
   小さなコインなどは、何事もなく通過すると考えられる。
   ただ、異物が排泄されたかどうか、便に注意して、確認するように指示される。
   また、異物の排泄を促すために、医師に流動食を勧められることもある。

   胃石の分解のために、溶解したセルラーゼを数日間服用することがある。
   尖っていない異物が食道に詰まっていると思われる場合は、グルカゴンを静脈投与して食道をリラックスさせ、異物が消化管を通るようにする。
   メトクロプラミドの経口投与なども、筋肉を収縮させて、胃石や尖っていない異物が消化管を通りやすくさせる効果がある。

   また食道につかえている異物の除去に、先端に風船をつけた細い管を口から異物の下まで通し、風船をふくらませてカテーテルを引き上げる、という方法をとることもある。

   鋭利な異物は食道壁を突き抜けることがあり、その場合は重大な結果を引き起こす。
   内視鏡か手術か、いずれかの方法で除去する必要がある。
   また電池を飲みこんだ場合も体内で火傷を起こすので、同様の処置が必要だ。
   異物が薬物を詰めた風船だと疑われる場合は、異物が破裂した際の薬物の過剰摂取を防止するために除去しなくてはいけない。
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