憩室の炎症、憩室炎


   腸壁が炎症を起こすと、大腸と他の臓器との間に瘻(ろう)ができる。
   瘻は通常、大腸の憩室が他の臓器に触れたり、憩室が破裂した場合に形成される。
   その結果大腸に含まれる細菌類が原因で炎症が起こり、隣接する組織をゆっくりと穿孔し瘻ができる。
   瘻が一番多くできる場所は、S状結腸と膀胱の間だ。
   瘻ができるのは女性より男性の方が多いが、女性で子宮摘出術を受けた場合は、大腸と膀胱を隔てる子宮がないので、瘻が形成されるリスクが高くなる。
   瘻が大腸と膀胱との間に形成されると、細菌を含んだ腸の内容物が膀胱に侵入し、尿路感染症を引き起こす。
   瘻は大腸と小腸、腹壁、膣、子宮との間に、または大腿部や胸部との間も形成されることがあるが、ケースは少ない。

   憩室炎の合併症で他にあるのは、子宮、膀胱、消化管の他の部分などの隣にある臓器の炎症、憩室壁の破裂、膿瘍、腹膜炎、出血など。
   瘢痕化と筋肉の肥厚化で大腸の内径が狭められると、硬い便が通過できなくなるため、憩室炎の再発が繰り返し起こると腸閉塞になることがある。

   軽い憩室炎の場合は、安静にして流動食と抗生物質の経口投与の治療を行う。
   通常はこの方法ですみやかに改善する。
   数日後からは繊維質の少ないやわらかい食事にし、オオバコ種子の製剤を毎日飲む。
   1カ月後からは、繊維質の多い食事にする。

   もっと重い場合、例えば腹痛、38.3度以上の発熱、経口抗生物質でも効果がない、その他の重症な感染症状や合併症がある場合は、入院する。
   点滴で栄養と抗生物質を補給し、ベッドで安静にし、症状が治まるまで経口摂取は避ける。
   憩室炎に罹った人の約20%は、症状が改善されず手術が必要となる。

   出血している箇所が分かっている場合は、侵された部分のみ切除する。
   出血個所が不明な場合は、結腸亜全摘という手術で、大腸の大部分を切除する。

   腸管が破裂したら、緊急手術が必要になる。腸の破裂は常に腹腔感染症を伴う。
   医師は通常、破裂した部分を切除し、大腸と腹部との間に開口部をつくる。これを人工肛門という。
   それから10~12週間経過後、腸の断端部を繋ぎ合わせる再手術を行い、人工肛門を閉鎖する。

   憩室炎患者の中には、手術は任意になる場合がある。
   膿瘍が見つかると、手術の前に、皮膚を通して膿を抜き取ることを試みる。

   瘻の治療では、大腸の瘻の部分を切除して大腸の断端を繋ぎ合わせ、膀胱や小腸などの侵食された部分を修復する。
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