肺性心と肺高血圧症 


   肺性心肺高血圧症は同義語と思われることも多いが、そうではない。肺高血圧症は肺性心を起こす原因であり、肺性心の患者はすべて肺高血圧症である。しかし、肺性心を発症することもあれば、肺性心を発症していない肺高血圧症の患者もいる。

   肺高血圧症には、原発性と続発性の2種類がある。原発性肺高血圧症の発症の主な原因は解明されていないが、肺動脈の筋肉層のけいれんや萎縮により始まると考えられている。原発性肺高血圧症にかかる人は35歳以上の女性に多く、男性のほぼ2倍に上る。肺の外観や機能に影響を及ぼす別の疾患により、続発性肺高血圧症が引き起こされる。原発性肺高血圧症は続発性肺高血圧症ほど一般的な疾患ではない。

   肺への血液の流れを妨げる疾患や、血液中の酸素濃度を持続的に低下させる疾患が原因で、続発性肺高血圧症が発症する。最も一般的な原因の1つは、慢性閉塞性肺疾患で、肺がこの疾患にかかると、心臓は肺へ血液を送り出すために、そうとうの努力が必要になり、やがて肺の内部の毛細血管や肺胞を破壊し、血液中の酸素濃度が低下して肺動脈が狭くなり、肺高血圧症を引き起こす。

   肺高血圧症を引き起こす別の疾患は、肺の組織に広範囲の瘢痕化が生じる肺線維症がある。
   瘢痕化した組織は、その部分を循環する血管が損傷を受けているために血液が非常に流れにくくなる。また、肺高血圧症を起こすその他の肺疾患としては、職業性肺疾患である嚢胞性線維症や、アスベスト肺、珪肺症などがある。
   ごく稀に、手術や外傷などで広範囲の肺組織が失われたり、心不全や強皮症、ピックウィック症候群、呼吸筋を巻き込む神経疾患、慢性肝疾患、ヒト免疫不全ウイルス感染、デクスフェンフルラミン‐フェンテルミンなどのダイエット薬により、肺高血圧症が起こる場合がある。 肺高血圧症が突然発症した場合は、肺動脈の内部に血液の塊が詰まる重大な病気である肺塞栓症が原因である。

   肺高血圧症の最も一般的な症状は、激しい運動時に起こる息切れで、この病気が進行した患者のほぼ全員にみることができる。
   また、激しい運動で頭がくらくらし、疲労感や狭心症のような胸痛もよくみられる。 患者は、全身の組織に十分酸素が行きわたっていないために脱力感を感じる。肺の原
  因疾患により、咳や喘鳴などのほかの症状が生じます。特に静脈から組織内へ液体が漏れ出すために、脚に浮腫がみられる。普通、浮腫は肺性心が起きている徴候でもある。
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

コンテンツ提供 by 介護の安心ガイド