排便を自分でコントロールできない状態、便失禁


   排便がコントロールできなくなることを、便失禁という。
   原因は、下痢の発作からくる一時的なものや、直腸に宿便がたまって硬くなった状態で起こる場合もある。
   痴呆、直腸脱、肛門や脊髄の損傷、糖尿病による神経の損傷、肛門腫瘍、出生時の骨盤損傷などがあると、便失禁の状態が持続してしまう。

   診断の際は、構造上または神経系の異常が原因かどうかの検査をする。
   通常はS状結腸鏡検査で、肛門と直腸、肛門周囲の検査を行う。
   神経機能や骨盤底を検査する場合もある。

   便失禁を治すには、まずは排便の規則的な習慣を身に付け、便の硬さを調整すること。
   食事に少量の繊維質を加えたり、食べ物を少し変えることも、役に立つ。
   食事の変化でも改善されない場合は、便通を遅くする薬が有効だ。

   肛門括約筋の収縮→緩める、という訓練によって筋力と緊張度が増加し、便失禁の再発防止に役立つ。
   バイオフィードバックを行うと、肛門括約筋が再訓練され、便があると感知する直腸の機能が高まる。
   バイオフィードバックによる改善は、前向きに取り組む約70%の人にみられる。

   ごく少数だが、便失禁が持続し、手術で治療する場合もある。
   例えば、肛門に外傷や構造的欠損がある場合などだ。
   最終手段として、大腸と腹壁をつないで開口部をつくる、人工肛門形成術を行う。
   肛門は閉鎖され、便は腹壁の開口部につくられた取りはずし可能なプラスチックバッグに入る。
   ただし、人工肛門は必ずしも一生使用する必要はない。
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