ガストリノーマを知る


   ■ガストリノーマ(ガストリン産生腫瘍)
   ガストリノーマは膵臓あるいは十二指腸にできる腫瘍。
   ガストリンが過剰に生成され、胃酸や消化酵素の分泌が促進されるので、胃が刺激されて消化性潰瘍ができる。

   ガストリノーマは膵臓内あるいは膵臓周辺に群がって発生することが多く、腫瘍の約半分は癌性だ。
   多発性内分泌腫瘍という病気があるのだが、これは様々な内分泌組織に腫瘍が発生する 遺伝性の病気で、ガストリノーマはこの病気の1つとして発症することもある。

   ガストリンが過剰に産生されると、ゾリンジャー‐エリソン症候群が起こり、胃や十二指腸、他の腸管に難治性の潰瘍ができる。
   ゾリンジャー‐エリソン症候群の25%は、診断時には潰瘍は認められないが、潰瘍で腸の破裂、出血、閉塞が起こると致死的となる。
   ガストリノーマ患者の半分以上は消化性潰瘍と同じような症状しか出ず、患者の25~40%の初発症状は下痢だ。

   通常の潰瘍治療に反応しない消化性潰瘍や、消化性潰瘍が繰り返しできるなら、ガストリノーマの疑いがある。
   最も明確な検査は血液検査で、ガストリンの異常高値の確認ができる。
   また胃液を採取して調べると、非常に強い酸性を示す。
   CT検査、超音波検査、動脈造影検査などで腫瘍の位置を確認するのだが、腫瘍が小さいので確定は困難だ。

   高用量のプロトンポンプ阻害薬で、胃液の酸度が下がり、症状は一時的に改善する。
   多発性内分泌腫瘍ではない場合は、ガストリノーマを切除すれば患者の20%位は完治する。 この治療で効果が出ない場合は、胃を全部摘出する。
   この手術で腫瘍の切除はしないが、胃がなくなり胃酸がつくられなくなるので、 ガストリンによる潰瘍はできなくなる。
   胃を切除した場合は、鉄分とカルシウムを日常的に経口で補給し、月1回ビタミンB12の注射が必要だ。
   胃の切除でこれらの栄養素の吸収が悪くなるからだ。

   悪性腫瘍が他の箇所に転移したら。化学療法で腫瘍細胞の数を減らし、血液中のガストリン値を下げる。
   しかし化学療法では癌は完治せず、結局、転移があれば致死的となる。
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